【特集】羽根田卓也選手からの高校生へのメッセージ | 日本の学校

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アスリートからの熱いメッセージ

羽根田 卓也選手 プロフィール

羽根田 卓也選手

カヌー(スラローム)選手 ミキハウス所属
2016年リオデジャネイロオリンピック・銅メダリスト

PROFILE

1987年7月17日生まれ。愛知県豊田市出身。小学校時代から器械体操をやっていたが、元カヌー選手だった父の影響で10歳から本格的にカヌーを始める。杜若(とじゃく)高校3年生の時には日本選手権で優勝。その後出場した世界ジュニア大会で刺激を受け、高校卒業後には単身でカヌー強豪国のスロバキアに渡った。現地でコメニウス大学スポーツ学部、大学院を卒業している。大学に通いながらカヌーに打ち込む毎日を送り、18歳で日本人初、ワールドカップの決勝戦に進出した。そして大学時代に北京オリンピックに初出場。その後2012年のロンドンオリンピック、2016年のリオデジャネイロオリンピックと3大会連続出場を果たし、リオデジャネイロオリンピックでは日本人初となる銅メダルを見事獲得した。また2014年にはアジア大会で金メダル、世界選手権では5位と健闘を見せ、2016年6月のワールドカップでは日本人初の3位という好成績を残した。
そして10月に行われたNHK杯国際スラローム大会において、日本人選手トップの3位に入り4大会連続となる2020年東京オリンピック出場を決めた。

羽根田 卓也選手の学生時代は・・・

初めて出場した世界大会で、人生をかけてカヌーをやると決めた

羽根田 卓也さん写真
 日本でカヌーは、スポーツと言うより川遊びのイメージが強いかもしれません。僕も子どもの頃に、父や兄と川に出かけては遊びでカヌーを楽しんでいたくらいです。ただ僕の場合、父がカヌーの選手だったこともあって、息子には本格的にさせたかったようです。そんな父や先に始めていた兄の影響もあり、それまでやっていた器械体操をやめて、10歳から本格的に競技としてのカヌーを始めることになりました。練習は、父が仕事休みの週末です。車にカヌーを積んで、父と兄の3人で川に出かけていっては練習をしていました。でも激流の中でするスポーツですから、始めた頃は怖さが大きくて、あまり好きではありませんでした。もちろん好きな瞬間もあるのですが、全体的には練習はきついし冬は寒い、怖さも拭えないという思いがあったからです。
 やがて怖さと同時に激流を克服できた時の達成感や、大自然の中で競技する気持ち良さが少しずつ分かるようになり、勝負の楽しさも感じるようになっていきました。そんな僕でしたが、中学3年生の時に初めて出場した世界大会で世界のカヌーを初めてこの目で見て、すごく刺激を受けました。自分の人生をかけてカヌーをやっていきたいと強く思うようになったんです。この思いは高校進学も大きく左右し、カヌー部のある杜若高校を選びました。豊田市にはカヌー部のある高校がいくつかありましたが、中でも当時から強かった高校です。その後は正にカヌー漬けの3年間でした。
練習場があるのですが、自転車で40分くらいかかるんです。朝6時前には自転車で練習場に行き、それから学校で授業。昼休みも校庭で懸垂なんかしてました。そして放課後はすぐ練習に行き、家に帰るのは毎日夜の10時くらいでした。今思ってもよく頑張ったなと思うし、あんなに自転車をこいだのも高校の3年間だけでしたね(笑)。

更に上を目指してスロバキアへ、そして夢のオリンピックへ・・・

スロバキア行きは、必ず成し遂げたい目標のためだった

羽根田 卓也さん写真
 高校3年生で迎えた夏の世界選手権は、ジュニアとして出場できる最後でもあったので、僕の中では高校時代の集大成と考えていました。そしてこの大会が大きなターニングポイントになったと思います。実際に世界選手権に出場して僕なりに「もしかしたら世界と戦っていけるかもしれない」という手応えを感じていましたが、同時にこのままではいけないとも感じました。やはり本場のヨーロッパに行って、もっと実力をつけなければと強く思ったんです。そこからは行動あるのみで、強豪スロバキアのコーチの連絡先を人づてに入手し、帰国後に自ら何度も連絡を取りました。もちろん練習に参加させてもらいたいが一番ですが、生活できる場所も必要ですから無我夢中でした。僕にとっては必ず成し遂げたい目標のためだったので、時間も努力も惜しまない覚悟はありました。
 そして高校卒業後に単身、スロバキアに渡りました。当初は知り合いもいないし言葉も分からない。そのうえスロバキア人は結構警戒心が強く、なかなか溶け込めないこともありました。でも僕が練習に必死に取り組む姿勢や、言葉を一生懸命に勉強しているところを見てくれているうちに、距離が近づいていったんです。現地では大学に通いながらだったので、練習と勉強の両立は生半可なものではありませんでした。スロバキアの大学は勉強の量が多く、練習の時間も削らなければいけない時もあって、体力的にも精神的にも辛くて折れそうになったこともありました。でもカヌーも大学も途中で諦めたくはなかったから、とにかく必死でした。そんな中でつかんだ北京オリンピック出場は、夢がひとつ叶った瞬間でした。やはりオリンピックは他とは比べものにならないくらいの雰囲気、スケールの凄さがあって、初めて出場した北京オリンピックは未知の世界で地に足がついていない感じです。でも4年という時間をかけて準備し、経験を重ねてきたオリンピックで自分らしく戦えるようになったと思います。そして2016年、リオデジャネイロオリンピックでつかんだ銅メダル。人生の中であれほど嬉しかった瞬間はなかったです。いろんな思いが、遂に報われた気がします。

羽根田 卓也選手からのワンポイントアドバイス

上達するには、水の呼吸、そしてフィーリングをつかむ

羽根田 卓也さん写真
 カヌーの練習で一番大事なことは、水とふれあうことです。水の感覚、フィーリングを養い、水と友達になることをいつも考えていました。また日本にはカヌーに適した激流はあまりないので、近くの渓流でゲートをつるして練習していました。では具体的にどんな練習をしていたかというと・・・
(1)筋力をつける・・・これはカヌーをするための身体作りで、カヌーに必要な筋力をつけるトレーニングです。基本的な懸垂や腹筋をはじめ、バランスボールの上でオールを振り回していました。カヌーのように常にバランスの悪いところで、重い物を持ち上げたり引っ張ったりもしました。他にも走る、泳ぐなどのトレーニングもします。特に水泳の動きでは、広背筋などカヌーに近い動きで筋力をつけることができます。
(2)こぎこみ・・・実際にカヌーに乗って行う練習ですが、ゲートをより早い秒数で通過できるように繰り返し行いタイムを計ります。
(3)水と戯れる・・・説明するのは難しいのですが、水の呼吸を常に読むことです。いざカヌーに乗ったら、川の中を上手に進めてくれる水をしっかりとつかむことを意識して、重心やバランスの取り方を身につけていきます。

 他にも人によっていろんな練習があると思いますが、上記の練習以外にもいろんなスポーツをやってみるのもいいと思います。特にカヌースラローム競技は前に進むだけでなく、ターンしたり後ろを向いたりと様々な動きが必要となるので、多様な運動神経を養うためにもプラスになると思います。僕も冬はクロスカントリースキーをしたり、サッカーやバスケット、器械体操もします。ただ一番大事にしてほしいのは、水の呼吸・フィーリングを感じること。水は敵にも味方にもなるので、呼吸をつかむことこそが上達への近道だと思います。

羽根田 卓也選手からみんなへメッセージ

何事にも全身全霊で打ち込めるのが、高校時代かもしれない

羽根田 卓也さん写真
 来年、2020年は僕にとっても特別な思いがあります。北京から始まりロンドン、リオを経て遂に東京にオリンピックが来ます。そして僕も4度目の出場となります。2016年のリオ以降はメダルを取れたこともあり、たくさんの人たちがカヌーという競技を知り、興味を持ってくださいました。また応援もたくさんもらいました。そして東京の葛西に日本初の人工コースもできました。それだけに東京オリンピックには強い思い入れがあり、僕にとっては人生と競技の集大成だと思っています。
 スポーツに全身全霊で打ち込める時期って、実は限られていると思います。僕は10歳でカヌーを始めましたが、一番頑張って練習していたのは高校時代でした。どう考えてもオーバーワークだったと思いますが、この時に精神的なタフさやハングリー精神といったものが培われたとも思えます。あの3年間があったから、スロバキアでも挑戦しつづけて来られたと思います。高校生の皆さんにとっても今が何かに全身全霊で打ち込めるチャンスです。何にチャレンジするか、目標もそれぞれですが、全力で向かっていくことで得るものはあります。だから変な妥協なんかせずに、やりきってください。

※プロフィール等は2019年10月時点のものです。

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株式会社JSコーポレーション 代表取締役社長 米田英一