山口県　防府商工高校　三坂神社×防府商工ＰＲＯＪＥＣＴのみなさんの善きことニュース

神社に奉納された兵士の写真　１枚でも多く返還願い、インスタで発信

山口県　防府商工高校　三坂神社×防府商工ＰＲＯＪＥＣＴのみなさん

山口県立防府商工高等学校の生徒が、奉納された兵士の写真返還に取り組む三坂神社（山口市）に協力。

インスタグラムを使って返還の輪を広げる活動を展開している。

１３００年前に創建されたとする三坂神社は「日清・日露戦争の際、三坂神社に祈願して出征した氏子の兵士全員が生還した」と報道され、弾除け神社として全国に知られるようになった。第２次世界大戦中は、出征兵士の無事を祈願して全国から肖像写真が奉納された。その数約２万５０００枚で、神社では戦後、家族らに写真を返還して来たが、今も約１万４０００枚が残されているという。しかし、個別訪問や展示会などで返還活動を続けてきた宮司や氏子の方も高齢になったことから、その想いを引き継ごうと、２０２１年度から同校生徒が返還事業に参加することになった。「三坂神社×防府商工ＰＲＯＪＥＣＴ」として、３年生が総合実践の授業の一環で活動している。

昨年１２月、生徒が選んだ未返還率の高い地域の名簿をＰＤＦデータにしてインターネットに公開。今年度は、神社の「兵士のひ孫世代にも知ってほしい」との要望に応えて、インスタグラムでの情報発信を提案。専用アカウントを設置し、奉納写真に兵士の家族や親戚、知人の手掛かりとなるよう、地区と氏名も紹介している。

１枚でも返還が進めばという想いで発信しているという生徒たちに、８月上旬、朗報が。インスタを見たという防府市の住民に一人の兵士の写真が返されたのだ。生徒たちは「１枚でも返せれば返還の輪が広がると思う」と話し、これからも、故郷に帰りたいと願う１万４０００人の想いに応えるためにも、三坂神社とこのプロジェクトをさらに発展させたいと力を込める。
（2022年9月掲載）