広島県　宮島工業高校　建築科３年生のみなさんの善きことニュース

バス停に手作りベンチ設置　お年寄りに優しい設計

広島県　宮島工業高校　建築科３年生のみなさん

生徒による地域への多彩な貢献活動で知られる広島県立宮島工業高校。２０２１年も、中学校での出前授業や機械科の生徒が足踏み式消毒液スタンドを出身中学校に、家庭クラブのメンバーがコロナ禍で交流ができない保育園に、クリスマスをテーマに切り紙で作った壁面構成を贈るなどしている。同年秋には、建築科の生徒が地元の旅館でつくる宮浜温泉地域管理組合と協力し、同温泉のグラウンドゴルフ場に３棟目のあずまやを建てている。

さらに建築科では続く１２月に、３年生が製作した木製ベンチを、同校近所の障害福祉施設前のバス停そばに設置した。

福祉施設が２０２０年９月、敷地の一部を提供して屋根付きのバス停を作った。施設利用者の多くが高齢者のため、座ってバスを待ってもらえたらと、２０２１年夏、同校にベンチの製作を依頼したところ、建築科の３年生１０人が手を挙げた。

１０人は９月から作業を開始。授業と放課後を利用し、１２月に仕上げた。生徒たちがこだわったのは高齢者にとって腰掛けやすいサイズ。そこで高さ９５㎝、幅１７４㎝、お年寄りがラクに座れるよう背もたれは５０㎝と高めに設計した。お年寄り３人が同時に座ってもゆったりできる寸法という。

設置した生徒は「バスが到着するまで、このベンチでリラックスしてもらえれば」と話す。買物や通院でバスをよく使うというお年寄りは「立ちながらバスを待っていると辛くなることがある。ベンチが置かれてとても助かる」と笑顔で感謝していた。
（2022年1月掲載）